ひきこもり |
さまざまな要因によって社会的な参加の場面がせばまり、就労や就学などの自宅以外での生活の場が長期にわたって失われている状態。
ひきこもりは日本社会特有の現象であることから、日本社会の代表的な病理である対人恐怖症が、社会的に表面化したものと考えられる。 |
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社会的ひきこもり |
・他人との交流がない
・就学・就労・訓練がない
・精神病・知的障害がない
・自家、自室中心の孤立した生活
・6ヵ月以上
厚労省の定義:
(1) 自宅を中心とした生活
(2) 就学・就労といった社会参加活動ができない・していないもの
(3) 以上の状態が6ヶ月以上続いている
ただし、
(4) 統合失調症などの精神病圏の疾患、または中等度以上の精神遅滞(IQ55-50)をもつ者は除く
(5) 就学・就労はしていなくても、家族以外の他者(友人など)と親密な人間関係が維持されている者は除く |
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親子二重のひきこもり |
ひきこもりの子を持つ親の心理として、“世間体が悪い”などの理由で子供のひきこもり問題を隠す傾向が見られる。
世間にこの問題を相談できず、結果として親自身も“ひきこもり”的になってしまう状態。 |
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社会不安障害(SAD) |
他人に悪い評価を受けることや、人目を浴びる行動への不安により強い苦痛を感じたり、身体症状が現れ、次第にそうした場面を避けるようになり、日常生活に支障をきたすこと。 |
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親に対するパラサイト |
学卒後もなお親と同居し、基礎的生活条件を親に依存している状態。 |
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ひきこもり始めた平均年齢・平均ひきこもり期間 |
・ひきこもり始めた平均年齢:20歳
・平均ひきこもり期間:8.95年 |
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ひきこもり状態の温床となりやすい家庭環境 |
本人と母親が「思春期の母子関係」に固着しており(母親の過剰)、父親は仕事に逃げている状態(父親の不在)。
また経済的には安定している。 |
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ニート (NEET) |
昨今、“ひきこもり” と “ニート” が混同して表現されることがある。
Wikipediaでのニートの解説(以下)
「ニート(NEET)とは、教育を受けておらず、労働や職業訓練もしていない若者を指した造語で、「Not in
Education, Employment or Training」の頭文字を採っている。」
にあるように、ニートとはひきこもってしまっている者を表す言葉ではない。もともとは1999年にイギリスで作られた言葉だが、当時の日本でも同様の若者の存在が社会問題として認識されるようになっていたため、その言葉が使われ始め、また日本独特の定義がされるようになった。
言葉として、“ひきこもり” と呼ぶより、“ニート” の方が一般的に聞こえが良い、というニュアンスもあるが、ニートの私生活は“ひきこもり”のそれと比較して活動的であり、ある意味で社交的でもある。決して部屋に閉じこもったきりの状態を継続しない。ひきこもりに陥っている個性とは、その点で大きな相違がある。 |
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単位制高校 |
一定期間(転学・編入学でない場合、全日制課程では3年、定時制課程・通信制課程では3年以上)を在学し、必要な単位の取得などをして、各学校で全課程を修了したと認められれば卒業することができる高校。 |
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通信制高校 |
通信による教育を行う高校。
学校教育法により、修業年限は3年以上と定められており、2003年度は3年制は110課程、4年制は54課程。 |
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高等学校卒業程度認定試験(高認) |
高等学校を卒業していない者等の学習成果を適切に評価し、高等学校を卒業した者と「同等以上の学力」があるかを認定する試験のこと。 |
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高認予備校 |
高等学校卒業程度認定試験の合格ための受験指導を行っている予備校。 |
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専修学校高等課程 |
中学校もしくはこれに準ずる学校を卒業した者、もしくは中等教育学校の前期課程を修了した者、または文部科学大臣の定めるところによりこれと同等以上の学力があると認められた者(中学校卒業程度認定試験合格者など)に対して、中学校における教育の基礎の上に、心身の発達に応じて職業若しくは実際生活に必要な能力を育成し、または教養の向上を図ることを目的とした組織的な教育。
修業年限が3年以上の課程を修了した者は専修学校の専門課程に進学することができる。
さらに、これに加えて、文部科学省の定める基準を満たす課程を修了した者は大学入学資格を有する。 |
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定時制高校 |
夜間その他特別の時間帯又は季節において授業を行う高校。
おもに昼間仕事に就き、終業後に夜間に学校に来て学習する生徒のために作られた。 |
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サポート校 |
高等学校通信教育を受けている生徒に対して、3年間での卒業を実現できるように、学習に対する支援などを行う民間の教育施設。
運営は、おもに学習塾、予備校、専門学校など教育関連の学校。
対象は、「高等学校」または「中等教育学校の後期課程」の「通信制の課程」などに在籍する人。 |
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教育相談所 |
・特徴:児童生徒の学校生活における学習相談、生活相談、進路・就職相談などを行う。
・役割:学業不振、非行、いじめや不登校などから、受験まで、子どもや親の悩みや相談に応じる。 |
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ジョブカフェ |
・特徴:それぞれの都道府県が所管する、若年者の能力向上・就職促進を目的に、職場体験や職業紹介等、雇用に関連したサービスを提供するセンター。
・役割:情報提供、カウンセリング、人材育成、職業紹介などを行う。 |
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児童 自立支援 施設 |
・特徴:犯罪などの不良行為をしたり、またはするおそれがある児童や、家庭環境等から生活指導を要する児童を入所または通所させ、必要な指導を行なって自立を支援する児童福祉施設。
・役割:生活指導、自立支援などを行う。 |
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若者自立塾 |
・特徴:日本の厚生労働省からの委託を受け、財団法人日本生産性本部が実施する、ニート支援のための助成事業。
・役割:いわゆるニート状態にある者に、合宿形式で集団生活を行うとともに職場体験やワークショップを行う。 |
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児童相談所 |
・特徴:児童福祉法第12条に基づき、各都道府県に設けられた児童福祉の専門機関。
・役割:家庭や学校などから、児童に関しての相談に応じるほか、児童の一時保護、調査、判定、指導などを行う。 |
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精神保健福祉センター |
・特徴:精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第6条に定められた精神障害者の福祉の増進を図るために設置された機関。
・役割:精神保健福祉及び精神障害者の福祉に関する知識の普及、及び調査研究などを行う。 |
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保健所 |
・特徴:地域住民の健康や衛生を支える公的機関。
・役割:住民に対して、保健指導、保健サービスなどを行う。 |
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家庭教育相談電話 |
・特徴:子育てや家庭教育に関しての相談を受ける機関。
・役割:家庭教育に関する悩み相談などを行う。 |
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子ども24時間電話相談 |
・特徴:いじめの問題などに悩む子どもや保護者などが、24時間いつでも相談できるように設置された窓口。
・役割:子どもや親のために24時間電話相談を行う。 |
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少年サポートセンター |
・特徴:子どもを非行や犯罪被害から守る活動、非行少年の立ち直り支援などの活動を行う機関。
・役割:悩みを持つ子どもや、問題のある子供を抱えている家族からの相談、少年の居場所づくり、立ち直り支援などを行う。 |
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児童家庭支援センター |
・特徴:児童福祉に関する事業を行う各種の施設。
・役割:地域の児童の福祉に関する問題に対し、相談に応じ、必要な助言、指導などを行う。 |
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不登校・ひきこもりを考える親の会(家族の会) |
・特徴:不登校・ひきこもりの子どもを持つ親同士の情報交換などの場。
・役割:情報交換、学習会などを行う。 |
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フリースクール |
・特徴:不登校の子供の受け皿として、その学習権の保障や安心してすごせる居場所を提供する施設。
・役割:居場所の提供、学習のサポートなどを行う。 |
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フリースペース |
・特徴:フリースクールとともに、不登校などの子どものための民間の受け皿となっている団体または組織。フリースクールよりも、より複雑な問題を抱えている子どもたちが多く集まっている。
・役割:問題を持った子どもたちとのコミュニケーションにより、その援助などを行う。 |
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若者居場所 |
・特徴:「居場所」がないと感じている若者への「居場所」の提供を行う施設。
・役割:若者への「居場所」の提供などを行う。(自立支援が目的) |
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精神科 |
・特徴:精神疾患を主な診療対象とする医療機関。
・役割:精神疾患を持つ人への診療・治療を行う。 |
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心療内科 |
・特徴:患者の身体面だけではなく心理・社会面を含めて、人間を統合的に診ていこうとする全人的医療を目指す「心身医学」を実践している診療科。
・役割:患者への精神面のカウンセリング、診療・治療を行う。 |
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若者サポートステーション |
・特徴:厚生労働省の「地域における若者自立支援ネットワーク整備モデル事業(地域若者サポートステーション事業)」
により実施された事業、及び同事業により開設された若者の相談窓口。
・役割:若年無職者(概ね15歳以上39歳以下)の職業的自立の相談支援、職業紹介などを行う。 |
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昼夜逆転 |
昼間に活動し夜間に睡眠をとるという通常の生活サイクルと逆のサイクルに陥っている状態。
不登校にも社会的ひきこもりにも統合失調症にも見受けられる現象であり、特異な症状ではない。 |
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アスペルガー症候群 |
興味・関心やコミュニケーションについて特異であるものの、知的障害がみられない発達障害。
知的障害がない自閉症として扱われることも多いが、公的文書では自閉症とは区分して取り扱われていることが多い。
対人関係の障害や、他者の気持ちの推測力、すなわち心の理論の障害が原因の1つと考えられている。 |
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抑うつ神経症 |
不安や恐怖など一般的な神経質症状と共に、憂鬱な気分や心が晴れないなどの軽いうつ状態が続く神経症。
2年以上に及ぶ慢性の軽うつ状態を示す状態。 |
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統合失調症 |
妄想や幻覚などの多様な症状を示す、精神疾患の一つ。
解体型、緊張型、妄想型の三型に区分され、ひきこもり状態を呈しているのは解体型と妄想型とされている。
解体型は、自分や周囲への関心がなくなり、自室にひきこもる。
妄想型は、自分が迫害されているといった被害妄想を持ち、ひきこもる。 |
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強迫神経症 |
現在は「強迫性障害」と呼ばれており、強迫観念と強迫行為からなる神経症。
また、その両方が存在しない場合は強迫性障害とは診断されない。 |
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不安神経症 |
パニック障害を含む神経症で、何かにつけて過度の不安や心配がつきまとい、それが慢性的に続く状態(診断基準では6カ月以上)。 |
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パニック障害 |
強い不安感を主な症状とする精神疾患のひとつで、突然生じる「パニック発作」によって始まる。
続いてその発作が再発するのではないかと恐れる「予期不安」とそれに伴う症状の慢性化が生じ、さらに長期化するにつれて、症状が生じた時に逃れられない場面を回避して、生活範囲を限定する「広場恐怖症」が生じてくる。 |
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摂食障害 |
依存症の一種で、極端な食事制限や、過度な量の食事の摂取などを伴い、それによって健康に様々な問題が引き起こされる。主に拒食症と過食症の総称。
人間関係の問題による心理的なストレスや不適応、コミュニケーションの不全などが原因とされている。 |
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アダルトチルドレン |
機能不全家庭で育ったことにより、成人してもなお内心的なトラウマを持っている人のこと。
一般には、親による虐待や、アルコール依存症の持つ親がいる家庭や機能不全家庭で育ち、その体験が成人になっても心理的外傷として残っている。
破滅的であったり、完璧主義であったり、対人関係が苦手であるといった、いくつかの特徴があり、成人後も無意識裡に実生活や人間関係の構築に深刻な悪影響を及ぼしている場合も多い。 |
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不登校 |
学校に登校していない状態のこと。
「欠席」という用語が1日単位で用いられるのに対し、不登校という語は、ある任意(不特定)の時期について使われることが多い。 |
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過呼吸症 |
精神的な不安によって過呼吸になり、その結果、手足や唇の痺れや動悸、目眩等の症状が引き起こされる心身症の一つ。
何らかの原因で呼吸を必要以上に行うことがきっかけとなり発症する。
パニック障害などの患者に多くみられるが、運動直後や過度の不安や緊張などから引き起こされる場合もある。 |
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LD・ADHA |
「LD」とは、学習障害のことで、単一の障害ではなくさまざまな状態が含まれる。
基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指す。
「ADHD」とは、注意欠陥・多動性障害のことで、多動性、不注意、衝動性を症状の特徴とする発達障害もしくは行動障害。
多動性、不注意、衝動性を症状の特徴とする発達障害の一つで、一般に遺伝的原因があるとされるが、他に適当な診断名がなく同様の症状を示す場合を含む。
症状としては、集中困難・過活動・不注意など。 |
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自傷行為 |
自らの身体を意識的・無意識的に拘らず傷つける事。
日本ではリストカットが有名で、虐待のトラウマや心理的虐待及び摂食障害、低い自尊心や完璧主義と正の相関関係があると考えられている。 |
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身体的虐待 |
他者による意図的もしくは非偶発的な損傷(外傷の残る暴行、生命に危険のある暴行など)を及ぼす行為。 |
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性的虐待 |
上下の発生する関係性において、上位の者がその力を濫用もしくは悪用して、下位の者の権利・人権を無視して行う、性的な侵害行為。 |
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心理的虐待 |
著しい心理的外傷を与える言動を行うことで、言葉による暴力、恫喝、無視や拒否、自尊心を踏みにじることなどが挙げられる。 |
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機能不全の親 |
様々な要因から、親としてうまく機能していな状態(崩壊寸前の場合もある)で、家庭内に対立や不法行為、虐待などが存在する。
その環境で育った子供への悪影響は大きく、社会と健全な関係を築くことができない大人となる可能性が高い。
(逆に、子供のひきこもりなどが原因で機能不全の親となるケースもある) |
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性同一性障害 |
生物学的には完全に正常であり、しかも自分の肉体がどちらの性に所属しているかをはっきり認知していながら、その反面で、人格的には自分が別の性に属していると確信している状態。 |
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